読書メモ『ノマドランド』

読書メモ

おそらく今年のアカデミー賞をとるであろう映画『ノマドランド』の原作を読んでいます。入院中なので映画は見に行けません。

およそ30年前、旅先のアメリカ、アトランティックシティで、観光バスからおじいちゃんおばあちゃんがぞろぞろカジノに繰り出していく様を見て驚愕したことがあります。しかもそういうバスが次々に来る。

フロリダでは、現実離れしたパステルカラーの邸宅が延々と連なり、どこに行っても楽しそうに過ごす老人たちが、「引退したら冬はフロリダで過ごすのが普通じゃよ」(私訳)などと判を押すようにおっしゃるのを、すげーなアメリカと、当時は思いました。

それから月日が流れ、リーマンショックがあり、アメリカも変わりました。

著者であるジャーナリストのジェシカは問います。「勤勉に生きてきた64の女性が、しまいには住む家も場所もなく、不安定な低賃金の仕事に頼って生きるしかない。なんでそんなことになるの?」(私訳)

まじめに働いてきたのに家を失い、キャンピングカーで暮らし、不安定な仕事をその日暮らしで渡り歩く流浪の民、しかも高齢者、それがノマドピープル。

『ノマドランド』の世界を他人事だと思っている日本人のなんと多いことか。原野に漂流する高齢者は、日本の高齢者の未来の姿だ。しかもかなり近い未来の。そう思いながら、読んでいます。

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